白色県都ポパヤン4〜覚悟の力〜

人生には,大なり小なり,試練が転がっている。

 

学生時代は受験。

大人になってからは,授業研究会や,自分が担当する大きな行事,クラス内のもめ事。

今は,目に前にそびえる険しい山々。

 

これまでの人生,

まあ何とかなるでしょ」と思っている時より

「今日は大変だなあ,いやだなあ」と思っている時の方がうまくいくことが多い。

 

というか,「今日は大変だ」と想像していた大変さを超えたことがない。

「何だ,思ってたより楽だったな」で終わる。

 

それはきっと知らないうちに

覚悟の力がはたらいていたからだ。

 

 

「よし,行くぞ」

山を登る覚悟を決めて,コロンビアに入って1番早い,8時に出発。

今日の目的地,ピエンダモまでは50km。

標高1100m→1800mまで上げる。その間,下りもそれなりにあるから,1日で1300mぐらいは登る予定だ。

 

1300mて。北米大陸ラスボスの日と同じじゃん。

 

キリチャオの町を出るとすぐに登りが始まった。

はじめはゆるいから,すいすい登っていく。

ものすごく楽だ。

もしかして脚が覚醒したのか!?

 

 

どうでもいいけどこっちのカラス,よく見るとハゲている。

ハゲタカならぬハゲカラスだ。

 

登っていても,店や町がなかなか途切れない。

平地ではブドウだったけど,パイナップルが増えてきた。

 

 

ゆるくても登りなので体温が上がる。

そんなとき,水が流れる音が聞こえるだけで,体温が下がる気がする。

 

毎度,写真じゃ伝わりづらいけど,登りがきつくなってきた。

100〜200m登ると,気持ちのいい下りが出てくる。その繰り返し。

ずっと登りが続いて一気に下るより,ちょこちょこ下りが入る方がいい。

仕事のやり方も同じだった。少しずつやる方が性に合っている。

 

景色はすっかり山。

標高が上がるたびに少しずつ気温が下がっていくので,体温は上がっているけどそれほど暑さを感じない。中米よりずっと楽だ。

 

 

それでも登りはものすごくエネルギーを消費する。

ちょっとでも「あ,そろそろだな」と思ったら休む。これが大事。

そんなときにちょっと走れば店があるのがコロンビアのいいところ。

命の水(コカコーラ)を飲んで,好きな漫画を1話読めば復活!

 

 

ピエンダモまであと21km!ここまで30km走ってきたってことだな。

ポパヤンもあと45kmか・・・。

 

この時点で11時15分。出るのが早かったのでお腹が空いてきた。

安そうなレストランに入る。

 

「米と肉が食べたい!」

最近はこう言うようにしている。コロンビアの食堂にはメニューが無いので,いちいち何があるかを聞くのが面倒なのだ。言われてもよくわからないし。

米と肉ならどこにでもある。

 

最初に,レモネードをジャーごと持ってきてくれた。

 

「これ全部飲んでいいの!?」

とは言わなかったけど,全部飲んでいいに決まってる。

これがランチ料金に入っているなんてうれしすぎる。いくらかはわからないけど。

 

あ,食事は少ないんですね。

でも,いつもは昼が多すぎて苦しくなりながらのスタートだったから,これぐらいでちょうどいい。コロンビアでは牛肉より豚,鶏のほうがおいしいような気がする。

 

お会計をお願いするとなんと4000ペソ(130円)!

北米を合わせても最安だ。

大満足で再出発。

 

登ったら下る。

そして下ったぶんプラス数十メートル登る,をくり返して,少しずつ標高を上げていく。

そのうち,今日目指していた標高1800mをこえていた。

それでも下ったり登ったりが終わらない。

少し平坦になったところの小さな村に,学校があった。

人はいなかったけど,バスケのコートと,裏にはサッカー場があった。

そろそろ一回は学校見学をしてみたいなあ。

 

コロンビアのガスステーションには売店が無い!と前に書いたけど,それは街中。

山の中では,なんとレストランやホテルまである。

トラックの運転手のための簡単なホテルのようだ。いざとなったらこういうところに泊まればいいんだ。安心だね。

 

 

さあて,これを下ったらそろそろ目的地,ピエンダモに着くぞ。

 

そう甘くはなかった。

ピエンダモは思いっきり坂にそって作られた町。

町が始まってから終わるまで,2kmぐらい直前の登りだった。

ここが今日一日で一番しんどかった。長い直線登りは心を折る。

 

そう,目的地ピエンダモを抜けたのだ。

現時点で時刻は14時。

まだ,脚は動く。

 

あと23km,ポパヤンまで行ったれ!

 

ポパヤンの安いホテルまで行くと,道のりは全部で83km。

平地でもしんどい長さだ。

それでも,山道を83km走れれば,きっと今後の自信になる。

しかも今の標高はほぼ2000mで,ポパヤンは1800m。

下りもあるだろうし,明るいうちに着けるだろう。

 

 

 

やっほー!と叫びたくなるような景色が続く。

そんな余裕はないけど。

下りメインになるかなあ,と思いきや,100〜150mの登りが連続する。

終わりを意識しはじめたとたんにしんどくなるんだよなあ!

 

再び大きなガスステーション。

ホテル,レストラン,スーパー,カフェが一緒になっている。

もう一つの町じゃん。

ここで最後の休憩。命の水をのどに流し込む。

 

そこからがまた長いこと長いこと!

あとちょっとなのに登りのせいで全然進まない!

3時を過ぎると,昼から夕方の気配に変わってきて,意味もなくあせる。

まだまだ暗くなるまで3時間もあるから大丈夫!

 

ポパヤンが近づくと,山では見かけなかったサイクリストがまた増えてきた。

何人かに声をかけられて,話をしながら進む。

もう体がかなり疲れてるから,スペイン語を聞き取る余裕がない・・・。

 

そして・・・

 

うおっしゃあ!ポパヤン!

 

まだホテルのある中心部までは5kmぐらいあるけど,

「Bienvenido a Popayan(ポパヤンにようこそ)」と書いてあればもう勝利確定だ。

 

ポパヤンはカウカ県の県都(県庁所在地みたいなもん)にして,人口25万人の都市だ。

4時近くになると帰宅する車やバイク,バスで道路がいっぱいになる。

こういうときはバイクと同じ動きをするといい。

 

ラッキーなことに,上の写真から先はずっと下りだった。

地図とにらめっこをしながら中心部へと進んでいく。

 

そして16時30分,調べておいた1000円のホテルに到着。

そう,はじめから,行けそうだったらポパヤンまで行くつもりだった。

明るいうちに着けてよかった,やるじゃん自分。

 

今日,山にもかかわらず83kmも走れたのは,脚がなれてきたのもあるけど,はじめにも書いた「覚悟の力」によるところが大きい。

 

 

自転車旅は,筋肉と心肺が50%,心が50%

心と体,人間の全部を使って前に進んでいきます。

・・いいこと言ったけど,使っているカメラはCanonなんだよなあ。

 

 

夕方,ご飯を食べに行った食堂がこれまた安くて5000ペソ(165円)

量は昼と同じぐらいで,さすがにちょいと足りないのでパン屋へ。

 

コロネとケーキを食べて,エネルギー補給完了。

甘いものが疲れた体に染み渡った。

さあて,ホテルにはエアコンどころか扇風機もないけど,1800mなら当たり前。

暑くなることがほとんどないからいらないんだよね。

 

よっしゃ,今日がんばったから,

明日はちょっといいホテルで休むぞ!

 

次回,第2部初の休日です。

白い町,ポパヤンを観光します!

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