カナダ編 猛暑征西カムループス3〜坂の街カムループスの夕食〜

チェイスで目を覚ますと,予想通り,周囲は一面の霧。昨日遠くまで見えていた美しい湖は,白い霧で何も見えなくなっていた。

 

しかし,残り60km足らずで大きな街,カムループスに着く。うきうきしながらのスタート。

 

何も見えないけど,今日は追い風だ。道も平坦が多いので,重いギヤがくるくる回り,気持ちよくとばすことができる。

 

自転車って,ちょっとがんばりながら,しばらく乗っていると,ランナーズハイのような感じになる。いくらでも走れそう,気持ちいいい!!ってやつだ。走っている時よりもなりやすい気がする。

 

 

途中,久しぶりに自転車に抜かされた。

 

 

「ハイ!」

 

サーベロのロードバイクに乗った夫婦,名前はロブとペイジ。

どこから来たの,とか,今日はカムループスに泊まるんだ,とか,初めて会う人とのいつもの会話をして,先に行ってもらった。

 

 

前に目標があると,新鮮だ。二人を追いかけながら,さらにペースをあげて走る。

 

 

すると,前の二人が急に止まった。

 

ペイジ「今夜,私たちと一緒に食べない?」

サトウ「もちろん!どこに泊まる予定なの?」

ペイジ「サンドマンホテルよ!」

サトウ「おお,いいね!こっちはお金がないからその辺の公園に泊まるよ」

ペイジ「私たちはカムループスに車があるから,あなたが泊まる場所までむかえに行くよ」

 

その場でメールアドレスを交換した。

ロブ「ビジターセンターに着いたらネットができるから,連絡するね」

 

 

 

そんな約束をして,また先に行ってもらった。やった,今日は誰かと一緒に食べられるぞ。

 

 

 

テンションをあげて,その後も追い風とともに進む。昼前にはカムループスに着いてしまった。

 

 

バーガーキングで昼を食べ,ダウンタウンへ。

 

今日は日曜日だからか,街全体が静かだ。

 

いい感じの街だな,そろそろビジターセンターに行くか,と思っていると・・・・

 

 

 

 

 

え,何この坂。

 

 

 

そう、カムループスは街中に300m級の激坂があり,どこに行くにも坂を登られければならない,

 

坂の街だった!!

 

 

 

しかもビジターセンターは,その頂上にある。仕方ないので登り始めるが,一番軽いギヤでも,ダンシングをしなければ登れないほど急だ!!

 

 

大通りに出て少し登りがゆるくなったけど,それでも10%近くある。街だっていうのに汗をだらだらたらしながら,必死に登っていく。

 

 

15分後,ようやくビジターセンターに着く。さっきいたダウンタウンは,下すぎて見えなくなっていた。

 

このあたりは,サケやマスが川を上ることで有名らしい。

ビジターセンターで街の地図をもらって,まだまだ時間があるので,カナダ初のスタバで時間をつぶすことに。

 

 

また坂だ。おいしいフラペチーノが待っている!と思って脚を動かし,50m登ってようやく到達。

 

 

スタバの値段は,日本より安いかも。

 

 

 

 

そして6時になり,ビジターセンターに戻ると,目の前に大きなレクサスのSUVがとまった。

 

ロブだった。ああ,やっぱりお金持ちなんだな,すごい!

 

車でさっき必死に登った坂を下ってダウンタウンへ。サンドマンホテルは,それは大きなホテルだった。ホテルといっしょになっているレストランに行くと,ペイジが待っていた。

 

 

 

サトウ「ここ,けっこう高級そうだね」

ペイジ「大丈夫よ,ここは私たちが払うわ」

 

 

え!?

 

 

 

ペイジ「いいのよ,あなたの話を聞いて元気が出たから,そのお礼よ」

 

 

なんだこの展開は。

 

 

 

ロブ「ワインとビールどっちがいい?ああ,えんりょしないで何でも注文してくれよ。このニューヨークステーキはどうだ?」

 

 

サトウ「いやいやいや,最近ピザ食べてないからなあ,ピザでいいかなあ・・(えんりょするわ!)」

 

 

ペイジ「私がピザを頼むわ。私少食だから,半分食べてね」

 

 

ロブ「そうそう,ステーキにしなよ」

 

 

サトウ「ああ,うう,えっと・・・じゃあ,サーロインステーキで!」

 

 

 

 

ステーキだけにしようと思ったけど,ロブが, 「よし,それにエビののったやつだな」と言って,サーロインステーキ+エビを注文することに。

 

ひええええ,えんりょが許されない!

 

 

ビール,ステーキ,エビ,付け合わせの野菜,ペイジにもらったピザ。

まちがいなく,この旅で一番豪華な夕食だ。

 

 

 

食べながら,これまでの旅の話をしたり,ロブとペイジの話を聞いたりした。

二人は旅が好きで,世界のあちこちに行ったことがあるようだ。5大陸は軽く制覇している。

そして店員が料理やビールを持ってくるたびに,ロブは

 

「フミは,世界中を自転車で旅するんだってよ!」

「クマやオオカミにおいかけられたらしいぞ!」

 

と,店員にも話をするのだった。

 

 

 

 

食後,

 

 

ロブ「よし,デザートを頼もう」

 

アイスクリーム乗せチョコブラウニー追加・・・!

 

 

 

 

 

全てを食べ終えて満腹になり,ロブがカードで支払いを終えると,店員が机の上に50ドル札を置いた。

 

カードで払ったのにおつりかな?でも50ドルのおつりっておかしいよな・・・

 

 

 

 

ペイジ「これはあなたのものよ」

 

 

はい?

 

 

どうやら,ロブが店員に話していたことが広まったようで,その中の1人が,応えんのつもりで50ドルを置いてくれたみたいだ。

 

 

サトウ「こういうことってよくあるの!?」

 

ペイジ「店員も,あなたの話を聞いて元気をもらったのよ」

 

ここまでの善意に包まれたことが,これまであっただろうか。

かっこよすぎるぜカナディアン。大切に使わせてもらいます。

 

 

 

その後,二人の部屋でシャワーを浴びさせてもらい,帰りにチーズやら,チョコバーやら,アメやら,たくさんの食料をもらってビジターセンターまで送ってもらった。

 

 

 

 

この夜のことは,決して忘れることはないだろう。

そして,自分もいつかロブやペイジのようになりたい。

 

 

 

 

 

と,いうことで,坂の街カムループスは,とても良い思い出の残る街となりました。

次回からは,いよいよカナダ最後の大都市,バンクーバーを目指します。

 

 

 

題して,

 

加国終局バンクーバー

 

 

加国は,カナダって意味。カナダは漢字で,加奈陀とも書きます。

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